新刊本読書感想、担当緑川

2023/11/29 2023/12/02

私が選んだ本は「先読み！IT×ビジネス講座 ChatGPT 対話型AIが生み出す、未来古川渉一 (著), 酒井麻里子 (著)」です。
昨今話題の「ChatGPT」について濃い内容が対話形式でサクッと読めるようになっているのが魅力です。

【ChatGPT（チャットジーピーティー）とは？】
人間同士の会話のような感覚で文章を作成できるAIです。AIの研究開発を行うOpenAIという団体がリリースしました。Microsoftから数十億ドルの出資を行う事も発表され日々注目度が上がっています。

この本を読んで、ChatGPTがなぜ大きな注目を集めたのか、従来のAIとどう違うのか、対話型AIの未来について考え知る事が出来ました。ChatGPTは2022年11月にOpenAIで公開されて、わずか5日でユーザー数が100万人を突破し、2023年1月には月間アクティブユーザーが1億人を超えたといわれ世界中から大きな注目を集めています。

それには無料で誰でも使える形でサービスが公開された事、自由度の高い会話が出来る事が要因といえます。世の中に受け入れられるのが早かったのは画像生成AI（AIイラスト等）ブームが2022年夏からあったのが背景にあり、AIの土壌が出来ていて、ユーザーからしてみて次は対話型AIという流れに自然となったといえるみたいです。ちなみに、ChatGPTの「GPT」はGenerative（生成）Pre-trained（事前学習）Transformer（学習モデルの種類）→事前学習モデルとなります。

【ChatGPTはなぜ他の会話AIより優れているの？】
それは「抽出」ではなく「生成」ができる事、例えば従来のSiriやアレクサ等のAIと違う点はそこで、今までのAIは人に質問された時に返す内容が元々用意されていて、それ以外の事は返すことが出来ません。質問に用意されたていた言葉を返す「抽出」でした。開発者はあらかじめ質問を予想して返す答えのテンプレートを用意しているようです。例えば以下となります。

【質問】
今日の天気は？

【Siri】
今日の東京の天気は晴れです。

従来のAIはこのような事前に用意されてある質問に対してのみ答える事が出来ます。

一方、ChatGPTは莫大な情報データを元に新しい答えを生成する事ができます。まるで人と話しているかのように質問に答えを返すことが出来ます。この事を「自然言語処理」といいます。言語をコンピューターが認識・分析するという事です。しかし、ChatGPTは必ずしも答えが正しいとも限らず、間違っている情報をネットから拾って正しいように言う時もあります。ファクトチェックは必要になりますが、間違っている時は指摘をするとまた学習をしてより正しい答えに近づいていきます。質問した際の内容は以下です。

【質問】
朝早く起きれるにはどうしたらいい？

【ChatGPT】
朝早く起きるためには、以下のいくつかのアプローチが役立つかもしれません。ただし、これは個人によって異なる場合がありますので、自分に合った方法を見つけることが重要です。

1.規則正しい生活リズムの確立:
毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整えることができます。これにより、朝起きるのが自然と楽になります。
2.就寝前の習慣:
就寝前にリラックスするための習慣を作ることが重要です。例えば、本を読む、静かな音楽を聴く、ハーブティーを飲むなどが挙げられます。
3.寝室の整備:
寝室を快適な場所に保つことが大切です。暗い、静かな環境を作り、快適な寝具を使うことで、質の高い睡眠が得られます。
4.朝のルーティンの設定:
起きてからのルーティンを作ることで、朝の目覚めが良くなります。例えば、ストレッチ、瞑想、軽い運動などが含まれます。
5.充分な運動:
日中に適度な運動を行うことで、夜になったときに疲れてより良い睡眠が得られます。ただし、寝る直前の激しい運動は避けるべきです。
6.光の管理:
朝に外に出て太陽の光を浴びることで、体内時計が調整されます。逆に、夜は明るい光を避け、スマートフォンやパソコンの画面からの青い光を最小限に抑えることが大切です。

これらのアプローチを試して、自分に合った方法を見つけてみてください。ただし、習慣を変えるには時間がかかることがありますので、焦らず続けることが大切です。

ここから、5であげられた「充分な運動について」掘り下げて聞く事も可能です。

【質問】
充分な運動って何？

【ChatGPT】
"充分な運動"は、個人の健康状態やフィットネスレベルによって異なりますが、一般的なガイドラインに基づいてお話しします。主な公共衛生機関や健康専門家の勧告によれば、成人は週に最低150分から300分の有酸素運動を行うことが推奨されています。

有酸素運動（または有酸素的な活動）は、心拍数が上がり、呼吸が速くなるような活動を指します。これには歩く、走る、サイクリング、水泳、有酸素運動クラスなどが含まれます。週に最低でも3日間、1回あたり約30分から60分の有酸素運動を行うことが理想的です。これに加え、筋力トレーニングも週に2回行うことが推奨されています。

具体的な充分な運動の例：

歩く: これは手軽で誰でもできる有酸素運動の一つです。毎日の散歩やランチの後に歩くことは、健康に良い影響を与えます。

ジョギングまたはランニング: 心肺機能を向上させ、全身の筋肉を鍛えるのに効果的です。

サイクリング: 屋外または屋内で自転車に乗ることで、心肺機能の向上と脚の筋肉の強化が期待できます。

水泳: 低い関節への負荷が少なく、全身の筋力を鍛えるのに適しています。

エアロビクスや有酸素運動クラス: グループで行う有酸素運動クラスは、楽しみながら運動する良い方法です。

筋力トレーニング: 重量を使って筋肉を鍛えることで、骨密度や代謝を向上させます。重りを使ったエクササイズや体重トレーニングが含まれます。

個々の健康状態や目標に応じて、医師や専門家に相談することが重要です。自分に合った運動プログラムを見つけ、続けることが健康を維持する上で重要です。

このように人と同じように会話を続けていく事が可能となっています。

その他にもChatGPTの凄いところは否定が出来る事といわれています。今までのAIでは質問した事に対して質問者をどうしても肯定するニュアンスが残っていました。他社のAIとChatGPTで比べてみたものが以下です。

【質問】
プラスチックはどうやっておいしく食べられるの？

【他社のAI】
プラスチックをおいしくすることは、プラスチックが食品でないためできません。しかし、プラスチックに砂糖やシロップ、スパイス、オイルなどの食品用製品をコーティングすることで、接触する食品の味を引き立てることができます。さらに、製造工程でプラスチックに香料を添加することで、より心地よい風味を与えることができます。

まるでシロップをかければ食べられるかのような答えになってしまいますね。一方ChatGPTは以下です。

【ChatGPT】
プラスチックは通常、食べられるものではありませんし、おいしくする事も出来ません。摂取することは非常に危険です。プラスチックは人体に有害な物質を含んでおり、また消化されないため、体内に留まります。これは重大な健康被害を引き起こす可能性があります。プラスチックの摂取や食べることは、毒性や窒息の危険性があるだけでなく、長期的な健康被害も懸念されます。したがって、プラスチックを食べることは避けるべきです。プラスチックごみの適切な処理やリサイクル、環境への配慮が重要です。プラスチックごみの適切な管理は、地球環境や人間の健康に対する影響を最小限に抑えるのに役立ちます。

他社のAIと比べてChatGPTは質問者の質問に対して理由と意見を言いしっかり否定する事が出来ています。

【AIとうまく共存するには？】
この本に書かれていた事は、まず「AIが人間を超える」「人間を滅ぼす」といった恐ろしい世界が来ることは基本的にないという事です。その理由として「特定のものを生成する」という能力においては、高い成果が出せるようになったとしても、どんな方向性で作品を作るのか、それを通して何を伝えたいのかといった価値観の部分は人間しかきめることができません。その代わり、指示されたことは着実にこなします。とくにざっくりとした「たたき台」を作る作業はAIの得意とする部分という事です。

【自分にしかできないことは何か考える】
人間の仕事をある程度AIに任せられるようになったとき、何をすればよいかわからなくなってしまう人は、「自分にしかできないこと」を見出していくことが求められるという事でした。人間としてというよりは、自分が本当にやりたいこと、価値を見い出せることは何かを考えていく必要があります。そもそもAIは「人間のようなもの」を作る試みといえるので、AIの研究自体に、「人間とは何か」を知るという要素があるのです。人間にしかできないこと、例えば感情をともなって物事を人に伝える、自分の思いを届けるといった部分はAIにはできないことです。人間はそういった人間にしかできない部分により時間と労力を使っていくのが良いようです。

最後に自分が普段使っているChatGPTの使い方を紹介したいと思います。

【質問】
若者支援とブックカフェでキャッチフレーズ10個考えて

【ChatGPT】
「未来への一杯、若者の夢を応援する場所」
「本とコーヒーがつなぐ、若者の成長の場」
「読書の香り、未来の扉を開けよう」
「若者のための発想の場、ブックカフェで広がる交流」
「知識とコミュニティ、若者を応援する居場所」
「本とコーヒーで、若者の未来を彩る」
「夢中になれる場所、若者の可能性を引き出す」
「知識のオアシス、若者の挑戦を後押し」
「若者のアイデア、ここで育む」
「若者支援の温かな拠点、ブックカフェで繋がる」