毎月一冊読書感想:担当緑川 「知らなきゃ損!インフレってなに?」横川由理(著) 自由国民社 2024/2/9
若い方で投資に興味がある方が増えてきているので、この本を選びました。
物価が上がっている今だからこそやっておいた方がいい資産運用が分かりやすく書かれてあります。
◆インフレ、デフレとは?
インフレとはモノの値段があがる↑
お金の価値が下がる↓
デフレとはモノの値段が下がる↓
お金の価値が上がる↑
インフレになるとお金の価値が下がり、現金や預金はモノの値段が上がるので実質的な価値が下がる
◆30年ぶりのインフレがやってきた
例えば食パン1斤1970年では116円だったのが2021年では434円
牛肉国産ロースは1970年では237円だったのが2021年では913円
1970年に比べて4倍くらい値上がりした。
これまでなにか新しい商品が出ると、しばらく待って値段が下がってから買おうという事がインフレ時代では欲しいものはすぐに買う事。
◆預金する事が良いと考えられていたみんなの主な理由
子どもの頃に親に銀行に預金しておくと良いといわれたケース
手元に置いておくと使ってしまういざという時や本当に欲しいものを買いたいときのために取っておくためのケース
旅行に行きたい時や家電が壊れた時、転職する時のため、病気になった時のため等々
◆お金を銀行に預けておくと、利息をもらえる
1990年より前の定期預金の金利は5%前後もあり、手元に置いておくよりも増えるという事があった。
金利はお金の貸し借り料のこと。お金を貸す人がもらうお礼が金利。利息ともいう。反対にお金を借りる人は貸してくれた人に金利を払う。
銀行にはお金を預けているのではなく貸している。今は大手銀行だと定期預金でも0.002%と低い。
銀行のビジネスモデルは私たちから借りたお金を、高い金利でほかの人に貸す。貸した人から受け取った金利から、儲けや手数料を引いた残りカスみたいな金利を私たちに払う。そうして成り立っている。
もともと預金はお金を増やす方法ではない、近い将来に使うお金をちょっと預けてその間にわずかな貸し借り料を受け取るというイメージ。
預金で増えないって嘆くのはお門違い。
反対にお金を借りる人、自動車ローンや住宅ローンを借りる人は金利が低い方が助かる、利息がやすくてすむ。お金を借りる人と貸す人の立場が逆になる。
デフレだと、安いお金で美味しいご飯が食べられる、しかしインフレでも給料が上がれば問題がない、お金を借りる人にとってデフレには大きな問題がある。お金を借りている人の給料が下がって住宅ローンが返せなくなってしまうかもしれない。インフレになると住宅ローンの金利以上に給料が上がる。無理なく借りたお金を返せる。今、住宅ローンの金利は2%くらい。
◆インフレに負けない運用
2023年5月のモノの値段(物価)は、2022年の5月と比べて、3.2%も高くなっていた。野菜とか生鮮食品を含めると、4.3%も高くなっていた。
少なくとも3%は資産運用で上げるのが理想、インターネット銀行なら0.2%の利息がつく、都市銀行の100倍。
初心者にお勧めなのは「個人向け国債」
個人向け国債の変動10年がお勧め、金利は0.05%が最低保証、しかし個人向け国債の金利はインフレ率より低い
◆投資について
金融庁が「老後30年間で約2000万円が不足する」といって大問題になった。NISAの制度が新しくなったり、確定拠出年金に全国民が入れるようになった。国が「公的年金だけでは足りないから、自分でなんとかしてね。そのためのしくみは作るよ」「預金だけではとても足りないから、自分で投資しなさい」といっているのと同じこと。
NISA
運用益と売却益が非課税になる制度。NISAを使わないと利益に課税される
確定拠出年金
自分の年金を積み立てる制度。運用益と売却益が非課税になるが、受け取るときは課税の対象になる
◆目的別にお金を3つに分ける
①短期間 生活費 普通預金 すぐにお金をおろせる
②中期間 5年以内に使うお金 定期預金、個人向け国債 普通預金よりも高いきんりがつく、商品を選ぶ
③長期間 10年以上使わないお金 株式、投資信託 金額に上がり下がりはあるが、平均して上がっていればOK。配当金がもらえる
◆貯蓄と投資の大きな違い
貯蓄はお金を蓄えることで、銀行預金が代表的。投資は利益を見込んでお金をだすこと。日常生活などすぐに必要となる可能性があるお金は自由に引き出せる貯蓄として持っておく。
投資も自由に引き出せるが少し時間がかかる、投資した資産は「売却する」という手続きを行う必要がある、具現化するためには3日から5日くらいかかる。
投資は値上がりしたり配当金をもらえたり預金よりも利益を得られる可能性が高い。しかし、株式や投資信託は値段が上がったり下がったりする。
◆円安、円高について
円安とは円の価値が安くなってしまい、より多くの縁でドルを買わなくてはならないこと
外貨建て資産を持っていると、円安で儲かる
円安とドル高は同じ意味なので、ドル高の時にドル建ての資産を持っていると儲かる
◆良いインフレと悪いインフレ
良いインフレ
景気がよくモノがたくさん売れると、モノ不足に。その商品が値上がりするインフレ。需要はその商品を買いたいという気持ち。需要がインフレを引っ張ってくれる。会社の売り上げが増えて給料も上がる。
悪いインフレ
円安により、エネルギーや小麦などのコストが値上がりして起こる。モノを生産するためのコストや給料が値上がりしてその商品が値上がりする。コストがインフレを加速する。
◆株式と投資信託でインフレに勝つ
儲けの鉄則は、安く買って、高く売ること
物価が下がったからといって、狼狽売りは厳禁。
この本を読んで、手元にあるお金を貯金という形の他に投資という形で運用していく事で将来の不安取り除いていく事が大事だと思いました。